1%の富裕層がコロナ禍で手にした富、残る99%のほぼ2倍
ニューヨーク(CNN) 世界上位1%の富裕層が過去2年間で新たに獲得した資産は、残る99%が獲得した資産のほぼ2倍に上ることが、国際NGOのオックスファムが15日に発表した経済格差に関する年次報告書で明らかになった。
それによると、上位1%の富裕層の資産は過去2年の間に26兆ドル(約3312兆円)増えたのに対し、残る99%の層の純資産は16兆ドルの増加にとどまった。
コロナ禍で超富裕層の富の蓄積は加速している。過去10年でみると、新たに創出された富のうち超富裕層が手にした額は約半分にとどまるが、ここ数年で見ると3分の2に増えていた。
今回の報告書はフォーブスのデータをもとにまとめられ、スイス・ダボスで開かれる世界経済フォーラムに合わせて発表された。
非富裕層の多くは苦境にさらされている。およそ17億人の労働者は、賃金を上回るペースでインフレが加速する国で暮らす。世界の貧困層は2020年に激増し、昨年が貧困層の縮小が滞った公算が大きい。
「普通の人たちが食品など日常の必需品を犠牲にしている一方で、超富裕層は予想以上に大きな夢をかなえている」。オックスファムはそう指摘する。
オックスファムによると、世界のビリオネア(保有資産10億ドル以上の富裕層)の純資産は合計で11兆9000億ドル。21年暮れに比べると2兆ドル近い減少だが、20年3月時点の純資産8兆6000億ドルを大きく上回っている。