米テスラ、「広告を試してみる」とマスクCEO
ニューヨーク(CNN) 広告宣伝費ゼロの方針で知られてきた米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が16日、「広告を少し試してみる」と方向転換を表明した。
テキサス州オースティンでの年次株主総会で語った。
マスク氏は総会で、来年二つの新製品を導入すると予告し、自身は当分の間CEOの座にとどまると表明した。だが中でも特に大きな反響があったのは、広告を使う決断だった。同氏はこれを受け、「皆さんがそんなに強く望んでいたとは知らなかった」と語った。
マスク氏はこれまで何年間も、テスラに広告は不要だと主張し、その予算を製品開発に使うことを提唱してきた。
総会後のテレビインタビューでは、広告を出すと事前に決めていたわけではなく、質問を受けてから決断したことだと話した。
同氏が方向転換に至った背景のひとつは、既存の自動車メーカーが電気自動車の広告に多くの予算をつぎ込んでいる現状だ。テスラは既存メーカーとの激しい競争にさらされている。
もうひとつは、広告収入が全体の9割以上を占めていた米ツイッターを買収した後、多くの広告主が離れてしまい、呼び戻す必要に迫られていることが挙げられる。
マスク氏は、ツイッターが広告に依存しているのは皮肉なことだと話し、「広告は素晴らしい、みんなやったほうがいいと言うべきなのだろう」とコメントして笑いを誘った。