「ソーラーツリー」でEVに充電、英スタートアップが開発中
ソーラーボタニック・ツリーズは、より小型の廉価版ツリーの設計も予定している。廉価版の発電容量は3.2キロワットで、シェリー氏によると、価格は1万ポンドから1万5000ポンドの間になる見込みだという。
この廉価モデルは、大学のキャンパス、ショッピングモール、町の中心部などに適しており、スマートフォンやノートパソコンの充電からLED照明や電子広告まで、さまざまな用途に利用可能だ。
各ツリーは、人工知能(AI)によるエネルギー貯蔵・電力管理システムを搭載しており、複数のツリーを接続してローカルなマイクログリッドを形成したり、ツリーを全国の送電網に接続することも可能で、それによりツリーが作り出した余剰エネルギーを主電源に戻すことができる。
また夜間や日照の少ない冬の日でも、ツリーは送電網から電力を取り込むことにより、充電を継続できる。
しかしソーラーボタニック・ツリーズは、送電網への依存を減らすために、ツリーの幹にバッテリー貯蔵システムを組み込む計画を立てている。これにより昼間の余剰エネルギーを蓄えておき、夜間に使用することができる。
ソーラーボタニック・ツリーズはすでに34万ポンドを調達しており、実物大のプロトタイプの試験を行った後に資金調達ラウンドを開始する予定だ。シェリー氏は、25年までに少なくとも年間1000本のツリーを生産したい考えだ。
シェリー氏によると、ソーラーボタニック・ツリーズは、まず英国に最初のツリーを建設し、その後欧州や北米に拡大していく計画だという。