「ソーラーツリー」でEVに充電、英スタートアップが開発中
(CNN) 英国で、太陽光パネルのキャノピー(林冠)を備えた金属製の木が、近々駐車場やショッピングモールに設置されるかもしれない。
このソーラーツリーは、太陽光発電を行うナノスケールの「葉」を通じて太陽のエネルギーを吸収し、そのエネルギーを木の幹に設置されたバッテリーに蓄えることができる。英国のスタートアップ企業ソーラーボタニック・ツリーズが、電気自動車(EV)の充電用の電源として考案した。
同社は最近、実物の半分の大きさのプロトタイプを完成させた。現在、フルサイズ版の開発・試験を目指しており、それらを終えた後、今年末に商業生産を開始する予定だ。
現在、英国では電気自動車用の充電インフラが急速に拡大している。電気自動車向けマッピングサービス企業ザップマップによると、2023年4月末までに4万カ所以上の公共の充電ポイントが設置されており、昨年から37%も増加しているという。
それでも需要に追いついていない状況で、英国の気候変動委員会(CCC)は、増加しつつある電気自動車をサポートするには、32年までに32万5000カ所の充電ポイントが必要になると予測している。
ソーラーボタニック・ツリーズの最高経営責任者(CEO)、クリス・シェリー氏によると、同社はすでに、電気自動車用充電インフラのサプライヤー(供給業者)であるロー・チャージング・グループから200本のツリーを受注したという。同社にとって、これが初めての受注だ。
ロー・チャージング・グループは、英国と欧州全体で電気自動車用充電ステーションのネットワークを展開しており、その一部としてこのソーラーツリーを導入する計画だ。