インドがパソコン輸入を制限、免許制に 国内製造を重視
(CNN) インド政府は6日までに、コンピューターやラップトップ、タブレットや他の電子機器などの輸入を規制する免許取得制度を導入すると発表した。ハイテク分野での国内生産を助長させる狙いがある。
インド商工省が出した通達によると、輸入業者は今後、これまでは不要だったこの免許を得る必要がある。同省は、今回の方針変更についての理由には言及していない。
ただ、インドのモディ首相は国内でのものづくりを進める「メーク・イン・インディア」運動を積極的に進めている。国内の雇用先の拡大を狙った施策で、2020年にはスマートテレビの輸入規制にも動いていた。
ロイター通信によると、インドの電子機器の輸入額は今年4〜6月期に約197億米ドルを記録。前年同期比で6.25%増だった。
CNNは、インドでのラップトップ販売で首位を競う米アップルと韓国サムスンにインド政府の今回の決定へのコメントを求めたが回答は得ていない。
世界最多の人口を擁するインド政府による国内の製造業振興は、国際的な企業が重要なサプライチェーン(供給網)の確保で中国以外を見据え始めた時機とも絡む。
経済協力開発機構(OECD)によると、インドの労働年齢人口は次の10年余で10億人に達する見通し。大規模かつ若年層が多い労働力は中国に代わる製造拠点を探す国際企業を引きつける大きな材料になっているとした。
ゴヤル商工相は今年1月、インド内で売られるアップルの製品の5〜7%は同国内で既に製造されていると指摘。「私の理解が間違っていないのなら、この比率は最大25%までへの引き上げが目標になっている」とも述べていた。