米ウォルマート、多様性推進策を一部撤回へ 右派から圧力
ニューヨーク(CNN) 米小売り大手ウォルマートは25日、従業員の個性を尊重する「DEI(多様性、公平性、包摂性)」推進の施策を一部撤回する方針を示した。
発表によると、同社は公平性に関する従業員への研修を打ち切り、サプライヤーの多様性を高めるための取り組みを見直している。これまでは、女性または少数派、退役軍人、性的少数者(LGBTQ)が半分以上所有または運営するサプライヤーの増加を図ってきた。
また、「プライド」など性的少数者への理解を深めるイベントへの資金提供をすべて見直し、同社サイトで子ども向けに販売される性や性的指向に関する商品は削除するよう監視している。
2020年に教育や医療、刑事司法など黒人が受ける差別への根本対策を目指し、5年計画で開始した取り組みは延長しない。
同社は声明を通し、「当社は米国全体を代表する従業員、顧客とともに変化することをいとわない」との姿勢を示した。
DIEへの反対運動を率いてきた保守派の活動家、ロビー・スターバック氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「われわれの運動にとって最大の勝利」と宣言した。
これまでにDEI推進策やプライド・パレードへの支援、温暖化対策などを修正、撤回した企業としては、二輪車大手ハーレーダビッドソン、農村部の小売り大手トラクター・サプライ、農機具メーカーのジョン・ディアなどが挙げられる。