米スターバックス、店内やトイレの無料開放を廃止へ
ニューヨーク(CNN) 米スターバックスは、商品を購入していなくても店内で過ごしたり、トイレを使用したりできるポリシーを廃止する。新しいルールは、カフェ体験を改善し、スターバックスを単なる避難所やトイレとして利用してきたホームレスやお金を払わない人々を阻止するためのより大規模な取り組みの一環だが、同時に、同社史上有数の広報上の失敗を経て導入されたポリシーを覆すものでもある。
各店舗に13日に発表された新しい行動規範は、顧客を呼び戻し、落ち込む売上を伸ばすとともに、従業員関係を改善するというブライアン・ニコル最高経営責任者(CEO)の戦略の一部。北米すべての店舗に適用され、店舗のドアに掲示される。
スターバックスの広報担当者は声明で、この変更は「商品を購入してくれている顧客を優先するのに役立つ実用的な措置だ。顧客は座ってカフェを楽しみたいと考えており、店内にいるときにトイレを使用する必要がある」と述べた。
スターバックスの今回の動きは、一般の人々にトイレを提供してきた断続的な関係を転換するものだ。
米国の多くの都市では公共トイレが十分に設けられていない。そのため、スターバックスやマクドナルドなどのチェーン店がその空白を埋めてきた。
トイレやカフェを一般の人々に開放することは、スターバックスが職場と自宅の間の「第3の場所」としてのブランドを確立し、潜在顧客を店内に呼び込むことに役立ってきた。一方でこの方針は従業員と顧客の両方に問題を生み出してもいる。
「オープンドア」ポリシーは、2018年に始まった。ペンシルベニア州フィラデルフィアの店舗で友人と待ち合わせをしていた黒人男性2人が逮捕された後のことだ。男性の1人は、入店直後にトイレの使用を求めたが、商品を購入した顧客専用だと言われたと述べている。従業員から退店を求められ、断ったところ、警察に通報され、拘束された。この出来事は撮影、拡散され、スターバックスの広報上の失態となった。
22年には当時のCEOが、従業員と顧客を脅かすメンタルヘルスの問題が拡大していることを理由に、トイレを開放し続けることができない可能性があると発言。同年、スターバックスは安全上の懸念を理由として主に繁華街にある10店舗以上を閉鎖した。