完全まひ患者と意思の疎通を、医療科学の挑戦<1> 新システムで思考を解読
研究者らは、患者らが質問への答え方に慣れてきたと判断すると、今度は「あなたはハッピーですか」など、あらかじめ答えが分からない自由回答の質問を繰り返した。
患者らはこの生活の質に関する質問に対し、繰り返し「イエス」と回答しており、彼らが人生に前向きな姿勢であることが示された。
この研究では、患者の家族から提供された情報を基に、あらかじめ答えが分かっている質問が200問以上、自由回答の質問が40問以上作成された。
ビルバウマー氏と同僚らは、2014年に近赤外線スペクトロスコピーのみを使って、1人の完全なロックト・イン状態にある患者とコミュニケーションを取り、その結果を米医学雑誌「Neurology」で発表した。ビルバウマー氏は、今回の新たな発見は約25年に及ぶ研究の成果だと語る。
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次回「完全まひ患者と意思の疎通を、医療科学の挑戦<2> 『まばたき』と『脳の操作』」は8月15日公開