怒りをぶつけて大暴れ――アンガールームはストレス解消に効果あり?
しかし、半年ほど前に開業したばかりのブレーク・ルームは、時代の流れに乗り、順調に業績を伸ばしている。
アンガールームで思う存分破壊行動を楽しみ、満足した利用者は、すっきりした気分で店を後にする。また自宅でワイングラスを割ったり、皿を放り投げるのとは違い、アンガールームでは後片付けは一切不要だ。
客が物を壊した後の残骸は、従業員たちが回収し、再利用する。壊すための皿やグラスは、レストランや外部の寄贈者などから調達しており、利用者にとっては選択肢が豊富な上に、環境に配慮している気分にもなれる。
無論、安全が最優先であり、利用者は規則の順守が求められる。アンガールーム内では靴カバー、ゴーグル、ヘルメットなどの防具の着用が義務付けられ、酔っ払いや妊婦は利用できない。しかしアンガールーム内での破壊行動については、「一切制限はない。部屋は極めて頑丈に作られている」(マクリーン氏)
ただ、このアンガールームにどれほどのストレス解消効果があるのかについてははっきりしない。サルツ医師は「その点についてはデータが全くない」とし、「この種のサービスは次々と出てくるので、人によってどの程度効果があり、あるいは効果がないかは時間がたてば明らかになるだろう」と付け加えた。