ピーナツアレルギー患者に実験的療法、3分の2が少量の摂取可能に
被検者のうち3分の2には、アレルゲンであるピーナツの粉末をごく少量ずつ摂取してもらい、1日当たり1粒に相当する維持量に達するまで、2週間ごとに摂取量を増やした。
残る3分の1には偽薬を摂取してもらった。
1年後に全員が、医師の監視の下でピーナツ2粒に相当する量を摂取する「卒業試験」に臨んだ。その結果、療法を受けた患者のうち3分の2は重大なアレルギー反応が出ず、約半数は4粒に相当する量にも耐えることができたという。
副作用は全体的に、研究チームが予測したよりも少なかった。多くの患者はある程度のアレルギー症状が出たものの、3分の1は腹痛などの軽度な症状にとどまった。
被検者の1人、エリス・グローバーさん(10)は、摂取量を増やすごとに胃けいれんや嘔吐(おうと)の症状が出たものの、胃けいれんはすぐに収まった。
1度は気道が狭窄して呼吸しにくくなるアナフィラキシー反応に見舞われたが、すぐにエピネフリンを投与された。
11%の子どもは重度の副作用のため途中で療法を中止したが、「卒業試験」でエピネフリンの投与を必要とした子どもは、偽薬を摂取したグループが53%だったのに対し、療法を受けた子どもでは10%にとどまった。