ピーナツアレルギー患者に実験的療法、3分の2が少量の摂取可能に
(CNN) 米エモリー大学などの研究チームが、ピーナツアレルギーをもつ子どもを対象に実施した実験的療法によって、約3分の2が少量のピーナツを摂取できるようになったと発表した。意図せずにアレルゲンを摂取してしまうことによるリスクから患者を保護できる療法として期待される。
この研究は18日の米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンと、米アレルギー・ぜんそく・免疫学会の年次総会で発表された。
この療法を受ければ、ピーナツやピーナツ製品を意図せず摂取してしまう事態から一部の子どもを守ることができ、ごく少量を食べられるようになる可能性があることも実証されたとしている。
エモリー大学医学校のブライアン・ビッカリー医師は、「これでアレルギーがなくなるわけではない」としながらも、決して小さな成果ではないと強調する。米食品医薬品局(FDA)に承認された食品アレルギーの治療法は存在せず、特にピーナツなどナッツ類のアレルギーをもつ人は米国で推定300万人に上る。
今回の実験的療法に使われた製品を製造した米バイオ医薬品会社エイミューン・セラフューティクスは、12月にFDAに承認を申請する。FDAはこの療法について、承認手続き迅速化の価値があると判断している。
ビッカリー氏によれば、来年夏の終わりごろまでには承認される見通しだという。
実験的療法は、10カ国にある66の研究施設でピーナツアレルギーをもつ4~55歳の患者554人を対象に、医師の厳格な監視の下で実施した。このうち496人は4~17歳の子どもだった。