世界で高まる悲しみや怒りの感情、幸福感格差も拡大 ギャラップ調査
チャドは原油価格の下落に伴って2014年以来、深刻な景気後退に陥り、生活水準が下落し続けている。人口1500万人のうち約600万人は極端な貧困生活を送る。
チャドでは約72%が、この1年の間に食料を買うのに苦労したことがあると答えた。同国ではインターネットも政府によって遮断され、利用できない状態にある。
一方で、幸福感については、調査前日に喜びやくつろぎを感じ、たくさんほほ笑んだり笑ったりしたという回答は世界全体で7割を超え、敬意ある扱いを受けているという回答も87%に上った。
そうしたプラスの感情が高かったのは南米パラグアイを筆頭に、パナマ、グアテマラ、メキシコ、エルサルバドル、ホンジュラスの順だった。
こうした国々は貧困世帯も多く暴力も絶えない。しかし「必ずしも生活水準が高いとは認識していなくても、世界のどの国よりも笑ったりほほ笑んだり喜びを感じたりしている」。ギャラップ報告書はそう指摘する。
米大陸以外で最も幸福感が高い国はインドネシアだった。
国連が実施している世界の幸福度ランキングでは大抵、スカンジナビア諸国が上位を独占する。今年もフィンランド、デンマーク、ノルウェー、アイスランドが筆頭だった。これに対して面接方式で行うギャラップの調査では中南米諸国の幸福度が高くなる傾向がある。
今回調査では不幸な感情が記録的に高まった一方で、幸福感も2013、14、15年と並ぶ記録的なレベルに達し、感情面でも世界的な格差の拡大をうかがわせた。