希少種のインドサイ、人工授精で赤ちゃん誕生 米動物園
(CNN) 米フロリダ州マイアミの動物園は、排卵誘発と人工授精によってインドサイの赤ちゃんを誕生させることに初めて成功したと発表した。
インドサイの赤ちゃんは23日午前0時半に誕生した。性別はまだ不明。母親は7歳の「アクティ」で、出産は初めてだった。親子ともに元気そうな様子だという。
動物園では親子の様子を見ながら健康状態をチェックする予定で、「子どもを守ろうとして非常に警戒心が強い母親から赤ちゃんを数分だけ安全に引き離せるタイミングを見計らって実施する」「母と生まれた子どもの間に絆が確立されることが極めて重要。初めての母親にとってはそれが難しいこともある」と説明している。
国際サイ保護財団によると、インドサイは角を目当てとする密猟の横行によって激減し、世界に残された個体数はわずか3500頭前後。妊娠期間は15~16カ月で、2~3年に1度、1頭しか出産しない。
母サイのアクティ(ヒンディー語で「プリンセス」の意味)も、18歳の父サイのスル(ベンガル語で「スタート」の意味)もサンディエゴ動物園で生まれ、アクティは2016年、スルは2003年にマイアミ動物園にやって来た。
何度か自然繁殖を試みたもののうまくいかなかったことから、繁殖・保護団体SEZARCなどの専門家チームが2018年1月から人工授精を行っていた。
アクティと赤ちゃんが落ち着けば、数週間以内に一般公開される見通し。
SEZARCでは米国の動物園や水族館と連携して希少種の繁殖と保護に取り組んでいる。昨年ジャクソンビル動物園で行ったシロサイの人工授精はうまくいかなかった。