外来種のハチが脅かす空の安全、計器詰まらせ重大事故の危険も

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3Dプリンターで作成されたピトー管にとまるホウロウドロバチ/HOUSE ET AL (2020) PLOS ONE

3Dプリンターで作成されたピトー管にとまるホウロウドロバチ/HOUSE ET AL (2020) PLOS ONE

オーストラリア民間航空安全局(CASA)は2018年、ハチの侵入の危険性について操縦士や航空会社、空港に注意喚起を行い、ピトー管が詰まれば対気速度や高度の計測ができなくなり、危険につながりかねないと警告した。

CASAは航空会社に対し、ブリスベン空港で待機している間はピトー管を覆うよう勧告している。ただ、それが義務付けられているわけではなく、ブリスベン空港の調査では、2013年11月~19年4月の間に合計26件の事案が報告された。

調査によると、ブリスベン港でホウロウドロバチが初めて見つかったのは2010年だが、2006年ごろに到達していた可能性もある。どのようにしてオーストラリアに到達したのかは不明だが、恐らく船舶を経由したとハウス氏は推測する。

研究チームは3Dプリンターを使ってボーイング737型機とボーイング747型、エアバスA330型機、および地域航空に使われるダッシュ8型機のピトー管の模型を制作。ブリスベン空港内の4カ所に置いて、39カ月間、観察を続けた。

この期間中にピトー管模型が完全に詰まる事案は93回発生した。ほぼすべてが11月から5月にかけての温暖な時期だった。

ハチの巣はほとんどが、空港の草地に近い場所で作られていた。ハチたちは草地から毛虫を集め、幼虫の餌としてピトー管に詰め込んでいた。

野生生物管理当局が有機殺虫剤を使って毛虫を駆除した結果、国際ターミナルと国内ターミナル付近のハチの活動を半分に抑えることに成功したという。

今回の調査では、米南部やハワイ、ポリネシア、ミクロネシア、日本などでもホウロウドロバチが見つかっている。

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