中国、豪州産ワインに制裁関税 両国関係の悪化背景に
香港(CNN Business) 中国商務省は27日、オーストラリア産ワインが不当に安く輸入されている予備的な証拠が見つかったとして28日から107.1~212.1%の追加関税を課すると発表した。
豪州のワイン業界団体によると、中国は豪州産ワインの最大の輸出先。今年9月までを対象とする直近の会計年度によると、金額にして豪州産ワインの輸出先の39%は中国向けだった。
豪中関係は豪州が中国の新型コロナウイルスの対応について国際調査を要請した後に急速に悪化。中国はその後、牛肉や大麦など豪州産製品の輸入規制措置などを相次いで打ち出しており、今回の制裁関税もその一環とみられる。
これに対し豪州政府は今年8月、国内の乳業企業を中国の企業に売却することを国益に反するとして阻止する対抗策も示していた。
中国は今年8月、同国のワイン業界団体の申し立てを受けて一部の豪州産ワインへの調査開始を発表。商務省は27日、不当廉売の事例を確認したとした。
豪州のバーミンガム貿易相は中国の今回の行動を受け、「正当化されず、証拠もない」と記者会見で反発。ただ、中国とワインの貿易を行う企業には破壊的な打撃になるとも認めた。世界貿易機関(WTO)に訴える可能性にも触れた。
一方、中国商務省は豪州産ワインに関する調査は中国の関連法やWTOの規定に厳格に従って実施されたと主張した。