感謝祭のお菓子、「宗教色のある欧米の祝日」を宣伝? 中国大学職員に批判
北京(CNN) 中国の大学の寮で管理人が感謝祭に合わせ菓子を配ろうとしたところ、「宗教色のある欧米の祝日」を宣伝しているとして、学生から批判を浴びる出来事があった。インターネット上では、政府による大学統制強化をめぐる激しい議論に発展している。
批判を受けたのは、中国東北部にあるハルビン工業大学の職員の女性。ネット上に投稿されたスクリーンショットによると、女性は26日、対話アプリに「今日は欧米では感謝祭なので、この機会を利用して私の仕事を支えてくれる寮の学生に感謝を表したい」と書き込んだ。
そして「朝7時50分からロビーでお菓子を配ります」と述べ、チョコレート菓子の箱を撮影した写真2枚を添えた。
これに対し、学生の一人が激しく反応。「欧米の祝日」を広めるのは「不適切」だとして女性を批判した。
この学生はさらに「あなたは欧米の祝日を大っぴらに祝うことの意味を考えたことはないのか」「このような活動は直ちにやめてほしい。さもなければ学校の関係部署に報告する」と書き込んだ。
女性は続くメッセージで「深く考えていませんでした」と謝罪し、「今後はもっと気をつけます」と約束することになった。
ネット上ではこのやり取りのスクリーンショットが拡散し、中国版ツイッターでトレンド入り。学校は27日午前の声明で、女性の申し出と生徒の反応はどちらも「善意」に基づくものだったと結論づけた。
これについて、ネット上では「どうやったら告げ口や脅迫を善意に基づいていると解釈できるのか」との批判が出ている。
中国では習近平(シーチンピン)国家主席が権力を握って以来、共産党の基本見解に沿わない言論や活動を抑制するよう、大学に対する圧力が強化された。近年は一部の大学でクリスマスなどのボイコットを求める声もある。