公園で保護されたワニ死ぬ、違法飼育で虐待・衰弱 米NY市
(CNN) 米ニューヨーク市のブロンクス動物園は、市内の公園で今年2月に保護されたワニが死んだと発表した。
体長約1.2メートルのメスのワニは、ブルックリンの公園でニューヨーク市公園娯楽局の職員が発見して保護した。厳寒の中、ワニは極端に衰弱した状態だった。
ブロンクス動物園の21日の発表によると、ワニは動物園で集中的な治療や栄養補給を受けていたが、今月16日に死んだ。
解剖の結果、ワニは極端にやせて極度の貧血状態で、腸や皮膚に感染症があったことが分かった。
「集中的な治療を行ったが、あまりにやせ細って衰弱し、貧血状態だったことから、免疫力が足りず、感染症のために死んだ」と動物園は説明している。
ワニはペットとして違法飼育されていて、浴槽の水栓をのみ込んだため腸に慢性の潰瘍(かいよう)ができていたという。飼い主はまだ特定されていない。動物園は「動物虐待の悲劇」と形容している。
「ワニなどの野生動物はペットとして取引したり自宅で飼育したりすべきではない」と同動物園は述べ、「このワニは、飼い主が極端に衰弱した状態で凍るような池に捨てたために、苦しんで死んだ。もし飼い主が獣医師の治療を受けさせていれば、助かる可能性があった。野生動物はペットではない」と強調している。
ニューヨーク市はワニをペットとして飼うことを禁じている。野生のワニは南部のフロリダ州やジョージア州には豊富に生息しているが、ニューヨーク州には生息していない。