ペルー奥地で発見の新種ヘビ「ハリソン・フォーディ」と命名、ヘビ嫌いのインディにちなみ
しかし危険が大きかったのは大自然よりも人間の方だった。
探検隊は、同地で発見した野営地について、当初は放棄されたものだと考えた。ところが自分たちの無線に割り込む別の男たちの声が聞こえた。近くに人がいる兆候だった。続いて自分たちを偵察しているドローンを発見し、自分たちの野営地を突き止めようとしている見知らぬ相手の会話を耳にした。
明らかに危険だったとレアー氏は言う。一行はすぐに救助を要請。悪天候に阻まれ、軍のヘリコプターが迎えに来るまでには4日を要した。
「脱出できてよかった」「探検は1週間短縮しなければならなかったが、恐らく戻って来られなかったかもしれない」とレアー氏は胸をなでおろす。
探検隊は身の危険にさらされながらも地図に載っていなかった滝を発見して命名し、新種のトカゲも発見した。
新種のヘビの発見についてハリソン・フォードもコメントを寄せた/Daniel Leal/AFP/Getty Images
新種のヘビについては、体長40.6センチの成体のオスの標本を持ち帰った。体は金と銅のうろこに覆われており、ペルー南部の高地の湿地に生息していると思われる。レアー氏は遺伝子解析で新種だったことを確認した。
フォード演じる映画の中のインディ・ジョーンズはヘビ嫌いだが、実際のフォードは自然保護活動に熱心で、非営利の保護団体「コンサベーション・インターナショナル」の副代表を務る。
フォードは同団体に寄せた声明で、自分の名前のヘビについて「ほとんど一日中、汚い水のプール脇で日向ぼっこをしている。きっと60年代初めには友達になっていただろう」と冗談交じりにコメント。「自然界にはまだ学ぶべきことがあまりに多いと再認識させてくれる。そして人間が信じられないほど広大な生物圏のほんの一部にすぎないことも。この惑星では全ての運命が絡み合っていて、今まさに、100万種が忘れ去られる瀬戸際にある。私たちの存在意義は、自然との壊れた関係を修復し、生命を支える場所を保護することにある」と指摘している。