ノルマン征服時代の埋蔵銀貨、英国一高価な財宝に 地元歴史団体が8.5億円で購入
埋蔵された銀貨の意匠にも、当時の混乱が見て取れる。最古の1枚を除く銀貨の半数弱にはハロルド2世が、残りには次のイングランド王ウィリアム1世(=ウィリアム征服王)が描かれている。
サウスウェスト・ヘリテージ・トラストの考古学担当学芸員は団体のサイト上の動画で、「銀貨はイングランド史の分岐点にその起源を有し、サクソン人からノルマン人への支配層の変化を物語る」と指摘する。銀貨が埋蔵されたのは67年から68年にかけてで、ウィリアムに対する反乱が起きた時期に地元の司教が保管のため埋めたと考えられるという。
1000年近く前に使用されていた硬貨が見つかるのは極めて珍しい。今回発見された銀貨の数は、以前見つかったハロルド2世治世の硬貨の倍に上る。
銀貨は来月26日からロンドンの大英博物館で一般に展示された後、イングランド南西部の博物館に戻ってくる予定。