ホモサピエンスの最古のDNA回収、ネアンデルタール人と交配した時期に光

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今回DNAを解析した太古の骨片は、ラニスにある中世の城の地下洞窟から出土した/Martin Schutt/picture alliance/Getty Images

今回DNAを解析した太古の骨片は、ラニスにある中世の城の地下洞窟から出土した/Martin Schutt/picture alliance/Getty Images

サイエンス誌の論文の上級著者を務めたカリフォルニア大学バークレー校のプリヤ・ムーアジャニ助教(分子細胞生物学部)は会見で、「我々は相違点よりも共通点の方がはるかに多い」と指摘する。

サイエンス誌の研究ではネアンデルタール人とホモサピエンスが接触した重要な時期を、約5万500年前~約4万3500年前と特定。その後程なくして、絶滅したネアンデルタール人は考古学的な記録から姿を消し始めた。この7000年の間、初期人類はネアンデルタール人と遭遇して性交渉を持ち、かなりの頻度で子どもを生んでいた。交配がピークを迎えたのは4万7000年前だったと示唆されている。

2件の研究は人類とネアンデルタール人の遺伝子交換(遺伝学者の間では遺伝子移入とも呼ばれる)が起きたタイミングについて「相当な確信」を与えるものだと、進化遺伝学者のトニー・カプラ氏は指摘する。カプラ氏はカリフォルニア大学サンフランシスコ校のバカール計算健康科学研究所で疫学・生物統計学の教授を務める。

カプラ氏は今回の研究には関与していない。メールで「進化上重要なこの時期から遺伝子データが得られるのは非常に珍しい」と指摘し、「これらの研究は、太古のわずかなゲノムが強力な知見をもたらし、人類の移動やネアンデルタール人の遺伝子移入に関する我々の理解を洗練させてくれることを浮き彫りにした」との見方を示した。

2件の研究プロジェクトに取り組む科学者らは、別々に同様の結論に到達したことに気づき、論文の発表時期をそろえることに決めたという。

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