砂糖入り飲料で心臓病リスク上昇か、焼き菓子などの甘い物と比べ 新研究

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砂糖入りの飲料は焼き菓子などと比較して、心臓病のリスクが高まる可能性があるとの研究結果が明らかになった。/tongpatong/iStockphoto/Getty Images

砂糖入りの飲料は焼き菓子などと比較して、心臓病のリスクが高まる可能性があるとの研究結果が明らかになった。/tongpatong/iStockphoto/Getty Images

(CNN) おやつの種類によって健康に与える影響が異なる可能性があることがわかった。フロンティアーズ・イン・パブリックヘルス誌に9日に掲載された研究によって明らかになった。

スウェーデンのルンド大学で栄養疫学を専攻する博士課程の学生で、研究論文の筆頭著者であるスザンヌ・ジャンジ氏は電子メールで、甘い飲み物は焼き菓子などよりも心血管疾患を発症させるリスクが高いと述べた。

この研究は、1997年から2009年にかけて約7万人のスウェーデンの男女を対象に食事とライフスタイルを調査。19年までの対象者の脳卒中、心臓発作、心不全を含む心血管疾患の発症率も収集した。

研究者は砂糖の摂取量について、砂糖入り飲料、ペストリーなどの焼き菓子、ハチミツや砂糖などの紅茶やコーヒーに加えるトッピングの三つのカテゴリーに分けて調査した。

甘い飲み物(純粋なフルーツジュースではないすべての炭酸飲料とジュース)の摂取は、焼き菓子をより多く摂取した人よりも心臓病のリスクが高かった。一方で驚くべきことに、砂糖の摂取量が最も少ない対象者の心臓病リスクが最も低いわけではなかった。

ただしこの研究は観察的なものであり、関連性は発見されたものの、砂糖の摂取方法が心臓病の発症率の違いを引き起こしたと断言することはできない点に注意が必要だ。

また研究では、年齢、性別、アルコール摂取、喫煙、運動レベル、体格指数(BMI)など、関連に影響を与える可能性のある他の要因も調整されているが、分析に考慮されていない要因もあり得る。

砂糖の摂取量を極端に低い水準に制限している人は、既存の健康状態のためにそうしている可能性もあるほか、全体的に食事制限が非常に厳しく、重要な栄養素すべてを必要なだけ摂取できていない可能性もあるという。

砂糖入り飲料はなぜ悪いのか

ジャンジ氏によると、甘い飲み物が焼き菓子よりも心臓病と関連している理由の背後には生物学的理論がある。

液糖は固形食品と同じ分解プロセスを必要としないため、消化器系でより迅速に吸収される。固形糖は、食物繊維、たんぱく質、脂肪などの他の栄養素を含む食品の一部であることが多く、これらの栄養素は消化を遅らせるため、血流への糖の放出がより緩やかになるという。

固形食品に含まれる脂肪、食物繊維、たんぱく質は満腹感を持続させるが、液糖では満腹感を得られないことが多く、食欲の調節障害やカロリーの過剰摂取につながる可能性がある。

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