北極圏の海水を凍らせ、海氷の厚みを増すプロジェクト 有望な結果も科学者は「深刻な影響」懸念

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氷の上に海水をくみ上げる試験の様子=1月23日、カナダのケンブリッジベイ/Real Ice

氷の上に海水をくみ上げる試験の様子=1月23日、カナダのケンブリッジベイ/Real Ice

(CNN) カナダ北極圏の奥地では、科学者や起業家たちが氷点下の気温や強風、吹雪に耐えながら、海氷に穴を開けて海水をくみ上げ、海氷上で凍らせている。

英新興企業リアルアイスの一団は、ヌナブト準州の小さな沿岸の村ケンブリッジベイで北極の海氷を増やし、回復できることを証明しようとしている。

同社の最終的な計画は、北極圏の約100万平方キロ以上の氷を厚くすることだ。これは米カリフォルニア州の2倍以上の面積に相当する。夏の氷の減少を遅らせ、さらには逆転させることで人為的な気候危機への取り組みに貢献することを目標としている。

この計画は地球の脆弱(ぜいじゃく)な極地を救うための地球工学の提案の一つ。ほかにも氷床を保護するために巨大な水中「カーテン」を設置する、太陽光を反射するために小さなガラスビーズを散りばめるといった提案があるが、これらは物議を醸している。

北極の科学者や専門家の一部はリアルアイスの手法について、大規模には実証されておらず、生態学的に危険で、気候変動の根本原因である化石燃料への取り組みから注意をそらすものだと批判している。

一方で同社は、このプロジェクトは自然のプロセスにヒントを得たものであり、世界が気候変動に対して迅速に行動できない中で、消えゆく生態系を保護する最後のチャンスを提供するものだと反論する。

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