ホモサピエンスの最古のDNA回収、ネアンデルタール人と交配した時期に光

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現在の独ラニスに4万5000年前に住んでいた初期人類のイメージイラスト/Tom Björklund/Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology

現在の独ラニスに4万5000年前に住んでいた初期人類のイメージイラスト/Tom Björklund/Max Planck Institute for Evolutionary Anthropology

(CNN) 米国の大学などのチームはこのほど、欧州で発見された人骨から、これまで確認された中で最古のホモサピエンスのDNAを回収したと明らかにした。ホモサピエンスとネアンデルタール人の共通の歴史を解明する手掛かりとなりそうだ。

英科学誌ネイチャーに12日発表された研究によると、ドイツ・ラニスの中世の城の地下にある洞窟から出土した13の骨片をもとに、太古のDNAが解析された。骨片は約4万5000年前にこの地域に住んでいた母親と娘、遠縁のいとこを含む6人のものだという。

ゲノムにはネアンデルタール人の祖先がいたことを示す証拠が含まれていた。研究者らはラニスや周辺地域に暮らしていた初期人類について、この約80世代前、1500年前にネアンデルタール人と出会い、子どもをもうけていた可能性が高いと判断した。ただ、ネアンデルタール人との接触がラニスで起きたとは限らないという。

ネアンデルタール人のゲノムが2010年に初めて解読されて以来、科学者の間では、初期人類がネアンデルタール人と異種交配していたことが知られている。この遺伝的遺産は今日の人類にも受け継がれている。

ただ、こうした人類史上重要な謎めいた出来事が起きた正確な時期や頻度、場所については特定が難航している。科学者の見方では、異種間の関係は中東で発生したとみられる。当時、ホモサピエンスは大挙してアフリカを離れ、ユーラシア大陸各地に25万年前から住んでいたネアンデルタール人と遭遇した。

米科学誌サイエンスに同日発表されたより大規模な研究では、古代人類59人と現代人275人のゲノム情報を解析し、より正確な時間軸を突き止めた。この結果、現生人類にネアンデルタール人の祖先がいる理由は、「遺伝子の流れにおける単一、共通の長い期間」に帰すことができると判明した。

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