「完璧な」ゆで卵の作り方、科学で解明 黄身も白身も理想的な味と食感
(CNN) 完璧なゆで卵を作るのは難しい。理由は卵白と卵黄で成分が違うため、理想的な味や食感を出すためには異なる温度での調理が求められることによる。
しかしイタリアの研究チームが、「周期的調理法」と呼ばれる技を使ってこの問題を解決することに成功した。熱湯とぬるま湯に交互に入れながら卵をゆでることで、黄身と白身を分離することなく最適な状態に調理できるという。この研究は6日の学術誌に発表された。
研究チームによれば、周期的調理法でゆでた卵は黄身と白身の両方で理想的な食感と味が達成できるだけでなく、従来の調理法に比べて栄養価も保たれる。
米サンフランシスコのシェフ、マイカ・シーバさん(今回の研究とは無関係)は「この調理法は筋が通っている」と太鼓判を押し、「料理が科学だということは忘れられがちだけれど、卵のたんぱく質の性質や構造に合わせて調理温度を調節すれば、質を向上させられる」と指摘した。
周期的調理法は誰でも自宅で試すことができる。論文を発表したナポリ大学のエルネスト・ディマイオ氏によると、今回の実験は研究室ではなく、自宅のキッチンで行った。必要なのは32分の時間と辛抱強さだけだという。
究極のゆで卵を追求する研究チームは、黄身と白身の理想的な調理条件を特定するため、卵内部の熱の伝わり方を予測する数学モデルとシミュレーションを開発。水温や密度といった要素を入力し、熱湯とぬるま湯の間で卵を入れ替える時間を決める手がかりとした。