「完璧な」ゆで卵の作り方、科学で解明 黄身も白身も理想的な味と食感
実験では160個の卵を使って固ゆで、半熟、低温調理、周期的調理法の4種類の調理法を試し、それぞれの卵の熱による変化を観察して温度や食感、栄養素を比較した。
固ゆでは12分、半熟は6分、低温調理は65度で1時間調理。周期的調理法では卵を100度の熱湯と30度のぬるま湯に2分間ずつ交互に入れ、この周期を32分で8回繰り返した。
従来の方法でゆでた場合は卵全体の温度が上がり続けるのに対し、周期的調理法では黄身の温度が67度に保たれ、白身の温度は熱湯では87~100度、ぬるま湯では30~55度に達した。

(左から)固ゆで、半熟、低温調理、周期的調理/Ernesto Di Maio
この動的熱分布によって、白身と黄身の両方で理想的な食感と均一性を保つことに成功した。
ゆでた卵はテクスチャープロファイル分析や官能評価を行って、均一性や食感、味を分析した。その結果、周期的調理法でゆでた卵は白身の食感が半熟卵に最も近く、黄身の食感は低温調理でゆでた卵に最も近かった。
栄養素については、たんぱく質の変化を調べて黄身に含まれるポリフェノールとアミノ酸を調べた結果、従来の調理法と比べて周期的調理法はポリフェノールの値が最も高いことが分かった。
もっともシェフのシーバさんは、周期的調理法の概念は興味深いとしながらも、自分は卵の調理に32分もかけられないと告白。「みんな料理を作るだけで大変だし、簡単なやり方を探している。ゆで卵のような単純な料理に手間はかけられない」と話している。