(CNN) 英国海軍の提督を描いた16世紀の肖像画について、鼻に描かれたいぼの存在から本物だと判明する出来事がこのほどあった。作品は来月初めに競売にかけられる予定。
制作者不明のこの肖像画は1570年代半ばの作で、同時代の英国の航海者、海軍提督だったフランシス・ドレークを描いたもの。オークションを運営するボナムスのアンドルー・マッケンジー氏によると、第一人者として知られる複数の専門家が真贋(しんがん)の検証に当たったという。
専門家らはドレークの衣服や頭髪、目なども判断材料としたが、決め手になったのは鼻の付け根に描かれたいぼだった。ドレークの他の肖像画について、複製品にはこうしたいぼが見られないとマッケンジー氏は説明する。
フランシス・ドレーク提督の近接位置からの肖像画。作者は不明=Bonhams Auction House提供
以前この肖像画は、ドレークも暮らしていた修道院を改装した邸宅の壁に飾られていた。オークションは来月4日にロンドンで行われる予定で、同作には30万~50万ポンド(約4300万~7200万円)の予想落札価格がついている。
農民出身のドレークは航海者として頭角を現し、1577~80年に英国人で最初の世界一周を達成した。その後は英海軍の提督に任命され、1588年のアルマダの海戦でスペイン艦隊を撃破する功績をあげた。