投票システム会社、トランプ陣営に召喚状 FOXニュースへの3600億円請求訴訟で
(CNN) 投票システム会社のスマートマティックが、トランプ前大統領の2020年大統領選時の陣営に対し召喚状を出したことがわかった。同社はFOXニュースに対し、選挙関連の虚偽情報の放映で名誉毀損(きそん)があったとして27億ドル(約3600億円)の損害賠償を求めている。
召喚状は訴訟手続きの一環として4月に出され、今月9日に裁判所への提出書類で判明した。トランプ陣営に対して、スマートマティックやFOXニュース、選挙不正の主張に関係する文書の提出を求めている。
召喚状を出すのに裁判所の承認は必要ない。送達されるとトランプ陣営はこれを争うことが可能で、判事が召喚状の無効や範囲の限定の判断を下すこともあれば、そのまま認める場合もある。
CNNはトランプ氏の24年大統領選の陣営にコメントを求めたが、20年の選挙陣営に尋ねるように言われた。現時点で20年陣営に携わる人物がいるのかは不明。
スマートマティックは20年大統領選で、別の投票関連企業ドミニオン・ボーティング・システムズと同様に根拠のない陰謀論に巻き込まれた。21年に右派メディアのFOXニュースに対し、トランプ氏の弁護士と協調して「偽情報キャンペーン」を仕掛けて自社の存続を危ぶませたとして巨額の賠償請求訴訟を起こした。
ニューヨーク州の裁判所は22年、FOXニュースの訴えの却下の申し立てを認めず、訴訟は証拠開示手続きへと進んできた。
スマートマティックはトランプ陣営の他にも、トランプ前政権のバー前司法長官などに召喚状を送っている。
FOXニュースの親会社FOXコーポレーションのラクラン・マードック最高経営責任者(CEO)は9日、同社はスマートマティックと争うと述べた。
FOXコーポレーションは先月、ドミニオンと7億8750万ドルで和解。名誉毀損の和解額として米国史上最高額だった。