Architecture

世界の終末乗り切る「サイバーハウス」 テスラファンにお勧め

Modern House

米電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が昨年後半に「サイバートラック」を発表した時、その近未来的な車両について、終末もののSF映画から飛び出してきたようだと指摘する声が上がった。

そして今回、ロシアの建築事務所が、そんなサイバートラックにぴったりな掩蔽壕(えんぺいごう)を設計した。

「サイバーハウス」と名付けられた建物は複数階建てで、ハリケーンや地震、放射能汚染といった災害に耐えられるように設計された。提案を仕掛けたサンクトペテルブルクの建築事務所「モダンハウス」は、ゾンビによる世界の終末から居住者を守ることも可能だと主張。ゾンビは斜めの壁をよじ登ったり、エアロックのドアに侵入したりできないはずだとしている。

プロジェクトを仕切る建築事務所「モダンハウス」はテスラのサイバートラックに触発された/Modern House
プロジェクトを仕切る建築事務所「モダンハウス」はテスラのサイバートラックに触発された/Modern House

掩蔽壕のイメージ図には、建物の外にサイバートラックが停車する光景が描かれている。このコンセプト設計は同車の角張った形状とメタリックな外観を反映したもので、建物の中には、全長約6メートルのトラックを格納できる駐車スペースも完備する。

報道機関向けの声明では、災害時には屋内に7人を優に収容できると主張。事務所の主任建築家、アレックス・ウィゼブスキー氏は、テスラ車と潜水艦のデザインの両方に触発されたと語った。

「サイバーハウスの開発に当たっては、何重にも防護壁を備える現代の原子力潜水艦を参考にした」「我々が提案する多層式の構造は、さまざまな災害に対する最大限の安全性を提供するものだ」(ウィゼフスキー氏)

サイバーハウスのような大型車両を格納するため、豊富な駐車スペースを備えている/Modern House
サイバーハウスのような大型車両を格納するため、豊富な駐車スペースを備えている/Modern House

物資の供給が絶たれた場合には、水や空気の浄化処理システムが生存の助けとなる。「完全自律式」と銘打っており、太陽光パネルや風力タービンによって発電するため、居住者は外出しなくても最長で1年間生活できるという。

「最大限の安全を確保するだけでなく、快適で自律的な生活を送れるように心がけた」「実際、(一部の)潜在的なオーナーにとっては、特に防護の必要性はない。単純にデザインや自律性を気に入ってもらえるはず」(ウィゼブスキー氏)

現時点では実際にサイバーハウスを建てる計画はない。ただ、ウィゼフスキー氏は、間もなくビジョンが現実になる日が来るだろうと自信を見せ、ロシアやスペイン、米国の「潜在顧客」から関心が寄せられていると語る。

テスラのサイバートラックは昨年公開されると、インターネット上で話題となって物議を醸し、数え切れないミームを生み出した。反応はまちまちだったが、マスク氏は3日後、14万6000台の予約が入ったとツイート。その後の投稿では、予約が25万台に達したと示唆した。

屋上のテラスが住民にちょっとしたぜいたくを提供している/Modern House
屋上のテラスが住民にちょっとしたぜいたくを提供している/Modern House

サイバートラックの発表直後には、SF映画「ブレードランナー」に登場する車両と比較する声が上がったほか、人気ドラマ「ウォーキング・デッド」の公式アカウントが「ゾンビによる終末を迎えた世界にぴったり」と書き込む場面もあった。

サイバートラックに触発されたデザイナーはウィゼフスキー氏だけではない。米ニューヨークのデザイン企業、ラースビュローはこのほど、「サイバンカー」と名付けた鉄製のプレハブユニットを提案。建物の中には「標準的なガレージに収まらないトラック」を格納するための約56平方メートルの駐車スペースを備える構想だ。

サイバンカーを描いた一連のデジタル画像には、内部にサイバートラックが停車する様子が描かれている。これ以外の区画は住居や商業施設、保管庫として用いられるという。

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