イタリアで新型コロナウイルスのワクチン接種に向け、著名建築家のデザインによる仮設施設が来月以降、全国各地の広場など1500カ所に設置されることになった。
建築家のステファノ・ボエリ氏が14日、コンサルタントのチームとともにデザインした外観やロゴを公開した。
施設は内側が木造、外側が布張りになった円形の建物で、上部に大きなサクラソウのマークがある。ボエリ氏は「平穏と再生を象徴している」と述べた。
「ワクチン接種を受けることは市民としての責任であり、他者への愛情と生命の再発見を意味する行為だ。私たちはウイルスによって病院や家に閉じ込められたが、ワクチンによって身の回りの生命や自然との触れ合いを取り戻すことができる」とも語った。
施設は内側が木造、外側が布張りになった円形の建物でサクラソウのマークが施される/Stefano Boeri Architetti
ボエリ氏は世界各地に植物で覆われた集合住宅「垂直の森」を展開するプロジェクトなどで知られる。同氏の事務所によると、ワクチン接種施設のデザインは無償で引き受けたという。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、新型コロナウイルス感染症によるイタリアでの死者は計6万5000人を超え、英国を抜いて欧州最多となっている。