オーストラリア南東部メルボルンにあるスーパーマーケットの屋上で9日午前、約500人の集団ヌード写真が撮影された。米ニューヨークの写真家スペンサー・チュニック氏が、同市で開催されている芸術祭への参加作品として企画した。
撮影は気温9度前後の寒さの中で決行された。
会場のスーパー、ウールワースは当初、撮影に反対していたが、撮影日を買い物客の多い週末から月曜に変更することを条件に、先月ゴーサインを出した。
参加者に指示を出す写真家のスペンサー・チュニック氏(右)
チュニック氏はこの日の撮影に先立ち、「企業がヌード関連の企画にかかわることは極めて異例だ」と述べて、ウールワース側の決断を称賛した。
メルボルンでの撮影は9日を含めて計4回。1万2000人以上の参加希望者から920人余りを選んだという。参加者らは、一斉に裸になることで解放感や、だれもが同じ人間だという感覚を味わえると話していた。
集団でのヌード撮影に参加した人々
チュニック氏は1990年代前半から、米ネバダ州の砂漠やアラビア半島の死海など、世界各地で120件以上の集団ヌード撮影を企画してきた。
公の場で裸になることは「表現の自由」の一つだと主張し、「人々は自分の体が政府のものでも企業のものでもないという自由の感覚を求めている」と強調する。
シドニーのオペラハウスを舞台にした2010年の作品 Credit: Spencer Tunick
2016年の米大統領選前には、トランプ氏が共和党大統領候補に指名された党全国大会の会場近くで女性100人の集団ヌード写真を撮影し、物議を醸した。
現在はノルウェーの北極圏で計画している撮影に向け、参加者を募っている。