パリのルーブル美術館が今月、名画「モナリザ」を点検する作業への立ち会いや館長が案内するプライベートツアーなど、貴重な体験をオークションにかけている。
オークションは美術品などの競売を手掛けるクリスティーズとオテル・ドゥルオーで1日から始まり、15日まで開かれている。
モナリザの体験では、年1回の点検でガラスケースから取り出される瞬間に落札者1人だけが立ち会うことができる。
プライベートツアーはマルティネズ館長がガイドを務める。このほかにも夜の館内ツアーや、宮殿時代に華やかな祝宴が開かれた「カリアティードの間」でのコンサートなど、趣向をこらした体験が出品されている。体験の期限は落札から2年間だ。
名画「モナリザ」は年1回の点検でガラスケースから取り出される/Héloïse Becker
カルティエやディオールなど高級ブランドもオークションに協力している。カルティエが寄付したブレスレットには、同美術館での贈呈式と仏王室コレクションの特別ツアー、カルティエがパリ市内に持つ非公開の工房見学もセットになっている。
ベルギーの彫刻家ヨハン・クレテン氏、独写真家カンディダ・へーファー氏、仏彫刻家エバ・ジョスパン氏らもオークションに作品を提供している。
オークションの収益は芸術や文化的教育に焦点を当てる新スペースに使用される/Héloïse Becker
オークションの収益は、芸術や文化の教育を目的とした新たなスペース「ルーブル美術館スタジオ」の整備などに使われるという。