パリのルーブル美術館が名画「モナリザ」の点検作業に立ち会える権利をオークションにかけたところ、ネットで参加した1人が8万ユーロ(約1009万円)でこれを落札した。
オークション会社クリスティーズによると、落札者は年1回の点検でモナリザがガラスケースから取り出される瞬間に立ち会うことができる。落札者の氏名は明かされていない。
今回のオークションでは、ルーブル美術館から一生に一度しか味わえないような様々な体験が出品された。マルティネズ館長がガイドを務めるプライベートツアーと夜の館内ツアーはどちらも3万8000ユーロで落札。宮殿時代に華やかな祝宴が開かれた「カリアティードの間」でのプライベートコンサートの落札額は4万2000ユーロだった。
モナリザの絵画はガラスケースから取り出される瞬間に落札者1人だけが立ち会える/Héloïse Becker
カルティエやディオールなど高級ブランドもオークションに協力した。
カルティエが寄付したブレスレットは9万ユーロで落札。美術館でのプライベートツアーの際に落札者へ贈呈されることになっている。落札者には仏王室コレクションの特別ツアーのほか、カルティエがパリ市内に持つ非公開の工房見学も用意されている。
ベルギーの彫刻家ヨハン・クレテン氏、独写真家カンディダ・へーファー氏、仏彫刻家エバ・ジョスパン氏らが提供した作品も落札された。
オークションで得た利益は芸術や文化に特化した教育施設などに充てられる予定/Héloïse Becker
報道発表によると、ルーブル美術館はオークションで得た利益を活用し、芸術や文化に特化した新たな教育施設などを設立する計画だという。
上記の体験の期限は、落札から2年間となっている。