雨の日の午後に美術館を訪れ、芸術や歴史の美と不思議に浸るほどすてきなことはない。そして今、世界で最も多くの人が訪れるルーブル美術館がそれを自宅から可能にしてくれる。
同館は所蔵する48万点超の芸術作品すべてを掲載するインターネット上のプラットフォームを公開した。
芸術の愛好家も研究家も、すべて無料で全所蔵品をネットで閲覧できるようになる。
展示されるのはイスラム美術からルネサンス期の彫刻、エジプトの古美術、世界中の芸術家の絵画まで美術館の8つの部門の所蔵品。
ジャン・リュック・マルティネズ館長は声明で「今日はルーブルが、最も知られていない所蔵品も含めてすべてをお目にかける日だ」「初めて誰もがパソコンやスマホから無料で、所蔵品全体にアクセスできるようになった。それらが美術館に展示中か、長期を含む貸し出し中か、倉庫にあるかを問わない」と述べた。
「ルーブルの驚くべき文化遺産のすべてがワンクリックの先にある! このデジタルコンテンツが、その目で所蔵品を確かめようと人々がルーブルを訪れるさらなるきっかけとなることを信じている」(マルティネズ氏)
同館によると、訪問者は単純な検索や詳細検索、収集する部門、テーマごとの作品集から美術館の膨大な所蔵品を探すことができる。
ウェブサイトにはインタラクティブ(双方向)マップがあり、訪問者が美術館を一部屋ずつ探索できるようになっている。
美術館の所蔵品が少しずつ増えていくに従い、専門家がウェブサイトの内容を定期的に更新していくという。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による都市封鎖で昨年10月後半にルーブル美術館が閉鎖。通常なら多くの人々の目に触れる「ミロのビーナス」「民衆を導く自由の女神」「モナ・リザ」といった世界的に有名な作品もひっそりとたたずんでいる。
訪問者が入れない美術館だが、内部では長期間計画されていたリノベーションが進められている。