(CNN) 人気ゲーム「ポケットモンスター(ポケモン)」がオランダ・アムステルダムのファン・ゴッホ美術館と手を組んだ。新たなコラボレーションの一環として、世界的に有名なこのオランダの巨匠のことを子どもたちに知ってもらう狙いがある。
9月27日の発表によると、ファン・ゴッホ美術館の開館50周年を記念して、ポケモンをテーマにした多数の展覧会が28日から同美術館で開催される。
ゴッホのような画風でポケモンのキャラクターたちが描かれる/Courtesy Van Gogh Museum
「今回のコラボレーションでは、ビンセント・ファン・ゴッホの芸術と生涯を斬新な形で次世代に知ってもらうことができる。ファン・ゴッホ美術館とポケモン・カンパニーは、長年にわたる教育関連のノウハウを活用し、子どもたちや保護者などたくさんの人のために、ファン・ゴッホ美術館で特別な体験を創り出した」。エミリー・ゴーデンカー館長はプレスリリースの中でそう述べている。
企画展の中には来場者にピカチュウ(ポケモンで最も有名な黄色いキャラクター)の描き方を教える展示や、ファン・ゴッホと日本の芸術や文化との関係を紹介する展示もある。同館によると、日本の芸術と文化はゴッホの作品や世界観に「深遠な影響」を与えた。
今回のコラボでは、若い世代にゴッホを知ってもらう狙いがある/Courtesy Van Gogh Museum
リリースによると、ゴッホは1888年9月、弟のテオに宛てた手紙にこう記している。「もっと幸せに、もっと陽気になることなく、日本の芸術は学習できないように思える。それは常識の世界における私たちの教育や業績と関係なく、私たちを自然に回帰させる」
ポケモン・カンパニー・インターナショナルのライセンス担当ディレクター、マシュー・ガランテ氏によると、「ポケモンの背景の着想と、ビンセント・ファン・ゴッホの有名な作品の背景の着想の間には強い関係がある」という。
「今回のコラボレーションでは、ファン・ゴッホとポケモンの素晴らしい作品を通じ、子どもたちに芸術の世界を発見してもらい、その世界にはまってもらいたい」とガランテ氏は言い添えた。
展覧会は来年1月まで開催される/Courtesy Van Gogh Museum
展覧会は来年1月7日まで。同館の通常チケットで入場できる。
ポケモンは1996年の日本で、任天堂の携帯ゲーム機「ゲームボーイ」から生まれた。
プレーヤーは「全部ゲットだぜ!」のキャッチフレーズ通り、架空の世界にすむポケモンを捕まえてトレーナーになり、戦わせることができる。だがわずか数年で、「ポケットモンスター」の日本語を縮めた「ポケモン」は世界的な現象になった。
それから四半世紀が過ぎても、第1世代ポケモンの多くはミレニアル世代にもその子どもたちにも親しまれている。これは携帯ゲームを復活させた2016年の「ポケモンGO」と、映画「名探偵ピカチュウ」のおかげでもある。