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NewJeans、活動休止を発表 法廷闘争の「精神的・感情的負担」にも言及

今月初めにソウル中央地裁の審理に出廷したNewJeans

今月初めにソウル中央地裁の審理に出廷したNewJeans/The Chosunilbo JNS/ImaZinS Editorial/Getty Images

香港(CNN) K―POPグループ「NewJeans(ニュージーンズ)」は23日、香港での公演で新曲を披露した。この数日前には、韓国の裁判所が同グループの独立した音楽活動や商業活動を禁止する仮処分を決定していた。

メンバーはこの場で、仮処分を「尊重」するとして活動休止を発表。ポップカルチャーの祭典「コンプレックスコン香港」に詰めかけた1万1000人のファンに衝撃を与えた。

ソウル中央地裁は21日、数年にわたる法廷闘争でレコードレーベルADOR(アドア)を支持。グループが改名してレーベルから独立しようとする試みは、レーベルの評判に「重大な損害」を与えかねないと述べた。

メンバーのさんはステージ上で、グループの「すべての活動を休止する」という決定は「簡単ではなかった」ものの、「これは必要なことだと信じている」と語った。

メンバーはそれぞれ、用意していたメッセージを書いた紙を手に、ファンに韓国語と英語で話しかけた。先月「NJZ」としてブランド変更を試みてから初めてパフォーマンスを行った会場では、失望が音を立てて広がった。

「コンプレックスコン香港」でファンに語りかけるメンバー。左からダニエル(ダニエル・マーシュ)さん、ミンジ(キム・ミンジ)さん、ヘイン(イ・ヘイン)さん、ハニ(パム・ゴク・ハン)さん、ヘリン(カン・ヘリン)さん/CNN
「コンプレックスコン香港」でファンに語りかけるメンバー。左からダニエル(ダニエル・マーシュ)さん、ミンジ(キム・ミンジ)さん、ヘイン(イ・ヘイン)さん、ハニ(パム・ゴク・ハン)さん、ヘリン(カン・ヘリン)さん/CNN

ダニエル(ダニエル・マーシュ)さんはステージ上で「私たちは強くいようとしているけれど、正直に言えば精神的にも感情的にも少しつらい」と語った。

5人組の同グループは、ADORによる不当な扱いをめぐる訴訟の中で、同社との契約が無効であると繰り返し主張している。メンバーは、レーベルについて「操作」、「意図的なコミュニケーション不備」、職場での嫌がらせがあったとして提訴している。

一方でADORは、NewJeansが契約下にあると主張。レーベルの承諾なしに芸能活動を行うことはできないとしている。不当な扱いがあったとの疑惑にも異議を唱えており、同社はCNNに対し電子メールで、NewJeansの主張の大半は「誤解から生じた」ものだと説明した。ADORが起こした訴訟の審理は4月3日に行われる。

香港公演の前にCNNに共有された声明によると、ADORは公演への支持を表明する一方で、グループ名はNJZではなくNewJeansとしてパフォーマンスを行うことを条件とした。グループはこの問題に配慮したようだ。イベントに出演した他のアーティストの名前は明記されていたにもかかわらず、ステージのスクリーンにはどちらの名称も表示されなかったのだ。

それでもグループには「Chapter NJZ(NJZの章)」と書かれたタイツを身に着けたメンバーもいた。

一方、会場のブースでは、キーホルダーや帽子、Tシャツなど、NJZのロゴが入ったグッズが販売され、何時間も並んで商品を買う熱心なファンの姿もあった。

ダニエルさんはステージ上でこの問題に触れ、「私たちの名前が何であっても、どんなにつらい時を過ごしているとしても、今みたいな瞬間をみんなと共有できることが、私たちの生きる意味だと思っている」と語った。

また、グループは過去の楽曲を避けたようで、メンバーがそれぞれソロで他のアーティストのカバーを演奏した後、全員で新曲「Pit Stop」を披露した。

X(旧ツイッター)では、グループの「再デビュー」を願うハッシュタグが公演からわずか数時間で5万件以上投稿された。会場にいたファンは、グループへの支持を表明しながらも、活動休止への失望につつまれた。

あるファンは「彼女たちがこれからも強くあり続け、この戦いにうまく立ち向かってくれることを願っている」と口にした。「勝つのが難しいことはわかっているが、あの(活動休止を発表した)とき、ただ強く感動した。彼女たちはとても勇気がある」

ファンの支持の一方で、21日の仮処分はグループにとって大きな後退だと、この事案に詳しい法律専門家は言う。同氏は21日、CNNの取材に応じ、裁判所が差し止めを支持する決定を下したことは、NewJeansの法的主張が「極めて弱いか、事実上存在しない」ことを示唆していると述べた。

同氏によると、「韓国の司法制度では、このような事案で事務所がアーティストの活動停止命令を申し立てた場合、手続きは一般的にアーティストに非常に有利に進む」。これは、アーティストの職業の自由を制限することでアーティストのキャリアに回復不能な損害を与える可能性のある差し止め命令を発行することに裁判所が通常、非常に消極的であるためだという。

同氏は、裁判所がそれでもこの種の差し止め命令を出したという事実は、すべての主張、証拠、および広範なプレゼンテーション資料を検討した上で、信頼関係の崩壊を完全にADOR側が引き起こしたというNewJeans側の主張には十分な法的根拠がないと結論付けたことを示していると指摘した。

NewJeansは、2022年にデビューシングル「Attention」で国内チャートのトップに躍り出た。韓国で大成功したグループはそれから1年も経たずして、EP「Get Up」で米ビルボード200の1位を獲得。国際的な成功も手に入れた。

原文タイトル:K-pop band NewJeans announces hiatus amid ‘mental and emotional toll’ of legal battle(抄訳)

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