ドイツでこのほど、イタリアのスポーツカーメーカー、フェラーリの希少モデル「288GTO」が試乗中に盗まれる事件があった。車両は見つかったものの、容疑者は依然逃走中で、警察が行方を追っている。
事件は13日に発生。デュッセルドルフ警察によると、容疑者は購入希望者と称してビンテージカーの販売業者に連絡を取り、交渉の末、試乗の許可を得た。業者が車から降りたところ、代わって運転席に座った容疑者は車を加速させ、走り去っていった。
試乗のはずが、車を加速させてそのまま走り去ったという/DIETER STANIEK/DPA/AFP/Getty Images
警察はこの車を1985年に登録された「歴史的な車両」と説明。市場価値は200万ユーロ(約2億4500万円)を超えるとしている。
フェラーリ288GTOは限定モデルで、1984~87年に272台が製造されたのみ。製造目的は当時立ち上げ計画が進んでいた「グループBサーキットレース」に参戦する承認を得ることだった。結局このレースが実現することはなかったが、288GTOは現在、フェラーリの1980年代のモデルの中で有数の人気を誇っている。
2008年のロンドンでのオークションに出品された288GTO/BEN STANSALL/AFP/AFP/Getty Images
地元紙によると、盗まれた車両はかつて元F1ドライバーのエディ・アーバイン氏が所有していたものだという。
車両は14日夕、デュッセルドルフの南西約29キロにある町、グレーベンブローホのガレージに隠されているのが見つかった。警察は依然、容疑者の行方を追っている。