アフリカ中部・赤道ギニアの汚職事件捜査に関連して同国の副大統領から差し押さえられたスーパーカー25台が、29日にスイスで開かれた英ボナムズのオークションに出品された。
スーパーカーは、スイスの当局が資金洗浄事件に関する捜査を経て、2016年に赤道ギニアのテオドロ・ヌゲマ・オビアン・マング副大統領から差し押さえた。同副大統領は、赤道ギニアで長期政権を築いたヌゲマ大統領の息子。車の走行距離はいずれも数千マイル程度だった。
出品された車のうち、ランボルギーニが創業50周年を記念して9台のみ生産した「ヴェネーノ」ロードスターモデルの中の1台は、830万ドル(約9億円)で落札された。
オビアン副大統領がかつて所有していた25台が出品された/Bonhams
限定版のフェラーリは220万ドル、1300馬力の「ケーニグセグOne:1」(製造は7台のみ)は予想の2倍の460万ドルの値を付けた。
ボナムズによると、今回のオークションはジュネーブ州のために行われ、収益金は慈善事業に寄付される。
今回出品されたスーパーカーは、オビアン副大統領に対する犯罪捜査の一環として、ジュネーブ警察が2016年に市内の空港の貨物場から差し押さえた。
ロイターの報道によると、スイスの検察は今年2月、差し押さえた車を売りに出すことと引き換えに、オビアン副大統領に対する資金洗浄や公的資産流用などの捜査を打ち切ったと発表していた。
オビアン副大統領は複数カ国で犯罪捜査の対象になっている。フランスでは2017年、赤道ギニアの公金をパリの豪邸やプライベートジェット機、高級車などに費やしたとして横領罪に問われ、執行猶予付きの禁錮刑を言い渡された。
昨年にはブラジル当局が、オビアン副大統領の一行から現金1600万米ドル以上や高級時計などを没収していた。