香港(CNN) 今年のミス・ユニバース・インドネシアのファイナリスト6人が、運営側から「身体検査」の名目で服を脱ぐように言われたとして警察に届け出た。トップレスの写真も撮影されたとしている。
首都ジャカルタの警察署の外で8日、ファイナリストらの弁護士を務めるメリサ・アングライニ氏は記者団の質問に答えた。それによるとクライアントの女性たちは大会関係者から上半身の服を脱ぐよう告げられた。「傷痕やセルライト(肌の表面をでこぼこにする堆積<たいせき>脂肪)、タトゥーの検査」が目的だったという。
「N」の頭文字のみで表された参加者の一人は、大会のスケジュールに「身体検査」は入っていなかったためショックを受けていたと、アングライニ氏は明かした。当該の女性は大会関係者に従い、トップレスの写真を撮影された。他の4人の女性も同様だった。「彼女に屈辱を与え、体面を傷つけるのに十分だった」と、アングライニ氏はCNNの提携局、CNNインドネシアが放送したコメントで述べた。
別の匿名の参加者は記者会見で、両脚を広げるなど不適切なポーズを取るよう要求されたと主張した。ロイター通信が報じた。会見に臨んだ女性の顔には、地元放送局がぼかしを入れた。
申し立てを行った女性らによると、そうした写真は男性の大会関係者が部屋にいる状態で撮影された。書類や動画といった追加の証拠が警察の調書と共に提出されると、アングライニ氏は述べた。
その上で、当該の事案が発生したのはジャカルタでグランドファイナルが開催される2日前の8月1日だったと付け加えた。
警察の報道官は記者団に対し、警察への正式な訴えが7日に提出され、現在捜査が進んでいると説明。「訴えを基に捜査が行われている」とした。
ミス・ユニバースの大会は毎年異なる国で開催され、各国の大会を勝ち抜いた数十人が世界一の称号を懸けて競い合う。大会の模様は生中継され、全世界で数百万人が視聴する。
CNNと共有した声明で、ミス・ユニバースの運営側は今年のミス・ユニバース・インドネシアに対する告発について認識していると述べた。インドネシアでの大会の運営は、現地の加盟組織が行っている。
「ミス・ユニバースは性的虐待と不適切な行動に関する告発を極めて重く受け止めている」と、声明にはある。その上で「女性たちに安全な場所を提供することはミス・ユニバース・オーガニゼーションの最優先事項であり、我々はこの問題を調査している」と説明した。
インドネシアの大会の運営者らは現時点でCNNからのコメント要請に応じていないが、インスタグラムに声明を共有。この中で統括責任者のポッピー・カペラ氏は、組織として「状況を注視している」と述べた。
「我々はメディアで報じられた告発について積極的に調査している」「今後自分たちに対する告発の徹底した調査、検証を行う。この問題について速やかに必要とされる態度の表明と行動を起こし、真相を究明する」(カペラ氏の声明より)
CNNは告訴した側の法定代理人にも連絡を取り、さらなるコメントを求めている。