Design

楽しい? 怖い? オリンピックのマスコット、デザインの歴史をたどる

1984年のロサンゼルス五輪の開幕式に登場したマスコット「サム」

1984年のロサンゼルス五輪の開幕式に登場したマスコット「サム」/Tony Duffy/Getty Images

(CNN) オリンピック(五輪)に出場する選手は50年以上にわたり、フワフワだったり羽が生えていたりネバネバだったりする友人たちの声援を浴びてきた。オリンピックのマスコット――主催地の文化と歴史を詰め込んだマンガ的キャラクター――の重要性は非常に大きい。そのため大会の何年も前からデザインの選定が始まることもある。

国際オリンピック委員会(IOC)によると、そうしたマスコットの役割は「お祭り的雰囲気」を盛り上げ、大会の熱狂を体現することにある。

この数十年の間に、雪男、サスカッチ、カウボーイハットを着けたクマ、宇宙人などが世界のオリンピックの舞台に登場した。今年のマスコットは帽子の形で現れる。具体的には、解放されたローマの奴隷がかぶり、フランス革命で自由の象徴となった赤いフリジア帽だ。

最初のマスコットは1968年、デザイナーのアリーヌ・ラファルグ氏がフランスで開かれたグルノーブル冬季オリンピックのために制作した。2色の頭部と稲妻型の脚にスキーを着けた「シェス」は史上初のマスコットとして有名だが、ラファルグ氏はたった一晩でデザインを完成させて提出した。

ふさわしい代表を見つけるために、各開催国はデザインを公募したりコンテストを実施したりするのが一般的だ。2014年のソチ冬季オリンピックではロシアが実施したコンペに2万4000を超す作品が寄せられた。一般投票で選ばれた北極圏の哺乳類3匹は、表彰台の3段を表している。選考結果はロシアのテレビで発表された。ただしいつもそうとは限らない。1984年のロサンゼルス夏季オリンピックは、企業スポンサーが多額を出資した最初のオリンピックの一つで、マスコットのデザインは一般入札でディズニーが落札した。

こうしたマスコットは公式グッズの中心的存在でもあり、成功のためには可愛さと親しみやすさが欠かせない。2022年北京冬季オリンピックの「ビンドゥンドゥン」は飛ぶように売れた。ディズニーの白頭ワシの「サム」は子どもたちへのアピールを狙い、本物のようなとがった雰囲気ではなく、ずんぐりむっくりで柔らかく見えるようにデザインされた。もしもイラストレーターがそこから逸脱すれば、視聴者に思い知らされる。10年前、アイリス・デザイン・エージェンシーはロンドン大会のために銀色の一つ目宇宙人2体を制作。「もしこれが50年代のホラー映画に登場していれば、今ごろは名作とみなされていただろう」。CNNには2012年にそんなコメントが寄せられた。

一晩でデザインが完成したという「シェス」/International Olympic Committee
一晩でデザインが完成したという「シェス」/International Olympic Committee

地球外へ旅したマスコットもある。クマの「ミーシャ」は1978年、モスクワ大会が80年に開催される2年前に、「ソユーズ」ロケットで宇宙へ出かけた。

オリンピックと歴史上の記念すべき時が重なる場合、キャラクターデザインは特に重要になる。例えば今ミレニアム最初のオリンピックを主催したオーストラリアのシドニーは、大会史上初めて3体のマスコットを制作した。アニメ風の「シド」「オリー」「ミリー」はそれぞれ、シドニー、オリンピック、ミレニアムを表す命名。この大会のTシャツは、今もリサイクル品販売サイトで流通している。

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