インド独立運動の指導者、マハトマ・ガンジーのものとみられる眼鏡が今月、競売にかけられる。落札額は米ドル換算で1万9000ドル(約200万円)を超えるとみられている。
競売人のアンディ・ストウ氏が眼鏡を受け取ったのは4週間ほど前、7月13日午前のことだった。英イングランド南西部ブリストルの工業団地にあるオフィスに出勤して、郵便受けを確認したところ、封筒が飛び出ていた。「本当に、文字通り飛び出ていた」と、ストウ氏はCNNに振り返る。
同僚が封筒を開封すると、そこには金縁の丸眼鏡が入っていた。小さなメモも添えられていて、「ガンジーのものです。おじがもらいました」と書かれていたという。
ストウ氏はメモに記された番号に電話し、眼鏡の売り主を突き止めた。地元に住む高齢の男性だった。
男性はストウ氏に対し、眼鏡はおじから譲り受けたものだと証言。おじは眼鏡について、南アフリカ駐在時にガンジーからもらったと話していたという。
競売業者のイーストブリストル・オークションによると、男性のおじは当時、英石油大手BPに勤務しており、南アフリカに配属されていた。「何らかの善行に対し、感謝の印としてガンジーから眼鏡が贈られたものと推定される」としている。
オークション主催者は眼鏡の年代などを調べ、ガンジーが所有していたものと考えられると述べた/Wallace Kirkland/The LIFE Picture Collection via Getty Images
ストウ氏らが調査に着手した結果、非常に価値の高い品であることが判明。現時点での評価額は1万ポンド~1万5000ポンド(1万3000ドル~1万9500ドル)で、これを「相当上回る額」で落札するとみられている。
ストウ氏は後で再び男性に電話をかけ、評価額について伝えた。「どれだけ高額になるかを知って、椅子から転げ落ちそうになったんじゃないかな」
ストウ氏は眼鏡の年代などを確認し、男性の話とつじつまが合うことを確認した。80歳になるこの男性が作り話をしているとも考えにくいとも言い添えた。
眼鏡は今月21日に競売にかけられる。