女子テニスのスター、大坂なおみ選手をかたどったバービー人形の新製品が12日に発売され、直後の数時間で完売した。
大坂選手の新たな人形は「バービー・ロールモデル」シリーズに含まれる製品で、ヨネックスのロゴ入りラケットを手にしている。米玩具メーカー大手マテルが声明で明らかにした。
テニスウェアにはナイキのロゴが描かれているほか、白いバイザーも身に着けている。大坂選手はツイッターで、昨年の全豪オープンに出場した時の服装だと明かした。
そのうえで「すべての子どもたちに思い起こしてほしい。何にでもなれるし、何でもできるのだということを」と、言い添えた。
23歳の大坂選手は2018年に四大大会で初優勝を果たした。これまで4度四大大会を制している実績に加え、プロテニス界での積極的な発言でも知られる。人権や人種に根差す不平等、記者会見中における心の健康などについてたびたび取り上げてきた。
バービーから人形制作の委託を受けたデザイナーのカーライル・ヌエラ氏は、プレスリリースの中で大坂選手に感嘆の念を抱いていると表明した。
「当然ながら、なおみの選手としての技量は他の追随を許さない」
「しかし私が個人的に大坂なおみという人物について最も驚嘆するのは、彼女が自身の置かれた立場を活用するその手法だ。自分に当たるスポットライトと自らの声を駆使して、彼女は社会正義に関する人々の認識を呼び覚ましている」(ヌエラ氏)
人形の価格は29.99ドル(約3300円)/Mattel
大坂選手がバービーとコラボレーションするのは今回で2度目。19年にも同ブランドが展開する女性の著名人をモデルにしたラインアップの一つとして登場していた。
今月初め、動画配信大手のネットフリックスは大坂選手のドキュメンタリー・シリーズの予告動画を公開した。選手本人の人生と、一躍世間の注目を浴びるようになったことへの苦悩に焦点を当てる内容だという。
同番組では大坂選手自身がナレーションを担当。自身の生い立ちや、18年の全米オープン優勝の後「一夜にしてスーパースター」になった経緯を振り返る。
世界ランク2位の同選手は、18年に四大大会初制覇を果たして以降、「長くうつ状態に悩まされてきた」とされる。ネットフリックスのシリーズは今月16日に配信予定。
心の健康を理由に全仏オープンを棄権した大坂選手は、東京五輪で競技に復帰する予定だ。全仏の棄権後にはウィンブルドンも欠場すると発表していた。