ロンドン(CNN) アナ・ウィンター氏がサングラスを外した姿を人目にさらすことはめったない。だが、特別な機会に長年の習慣を破る覚悟はできていた。
ファッション誌ヴォーグの伝説的な編集長であるウィンター氏は4日、英バッキンガム宮殿でチャールズ国王から「コンパニオン・オブ・オナー勲章」を授与された。
式典の後、ウィンター氏は再びサングラスを着用した/Andrew Matthews/Getty Images
ウィンター氏は2023年、チャールズ国王の誕生日を記念して受章者に選出されていた。ファッションへの貢献のほか、エイズウイルス(HIV)研究や米メトロポリタン美術館のコスチューム・インスティトゥート(服飾部門)などへの資金集めを目的とした慈善活動が評価された。
この勲章は芸術や科学、医学、行政の分野で長年多大な貢献をした人に授与される。コンパニオン・オブ・オナー騎士団のメンバーになれるのは一時点でわずか65人。現在の会員には歌手のエルトン・ジョンさんやポール・マッカートニーさん、俳優のジュディ・デンチさん、小説家のマーガレット・アトウッドさんといった面々が含まれる。
バイデン大統領がウィンター氏に「大統領自由勲章」を授与する様子=1月/Manuel Balce Ceneta/AP
ウィンター氏は17年にも、当時のエリザベス女王から大英帝国勲章を授与されていた。ヴォーグ誌の編集長は1988年から務めている。
チャールズ国王が勲章を授与した際、ウィンターはトレードマークの黒のサングラスを外していたが、宮殿の外での写真撮影に備え早々にかけ直したようだ。
ウィンター氏は19年、CNNのクリスティアン・アマンプール記者とのインタビューで、サングラスは「とても便利。自分の考えを他人に悟られずに済むから」と説明していた。
先月には、「大統領自由勲章」という別の勲章を受けるためにサングラスを外す場面もあった。退任するバイデン米大統領は、自身の選挙陣営のために資金集めの集会を主催したウィンター氏に対し、文民では最高の栄誉となる勲章を授与した。