「極めて希少価値が高い」とされるパープルピンクダイヤモンドが11日、スイス・ジュネーブで競売にかけられ、同種のダイヤとしては史上最高額となる2440万スイスフラン(約28億円)で落札された。
14.83カラットのこのダイヤは約3年前、ロシア北東部の鉱山から採掘された。1911年初演のロシアのバレエにちなみ、「バラの精」の異名をとる。オークション会社のサザビーズによると過去に競売にかけられたパープルピンクダイヤの中で最高額での落札だという。
当該のダイヤはロシア北東部の鉱山で採掘した未加工のダイヤモンドからカットされた/Sotheby's
当初は28.75カラットあったが、1年かけて楕円(だえん)形にカットされた。サザビーズの宝石部門の責任者はこのダイヤの希少性について、大きさと色味がもたらしたものだと説明。色の等級は「ファンシービビッド・パープルピンク」で、透明度も内部に含有物を確認できない「インターナリー・フローレス」に区分されるという。
サザビーズは競売前の声明で、「ピンクダイヤモンドのうち10カラットを上回る大きさのものはわずか1%。『ファンシービビッド』に区分されるものは4%しかない」と述べている。
サザビーズによる予想落札額は2100万~3500万スイスフランだった/Sotheby's
最終的な落札額はサザビーズが予想した最高額の3500万スイスフランに及ばなかったが、ジュネーブでのオークションを統括したブノワ・ルぺラン氏はプレスリリースで今回の競売について、ピンクダイヤモンドの極めて大きな希少性に対する世界的な関心の高さが示されたと語った。