米国の「建国の父」として知られる偉人3人が署名した珍しい書簡が競売にかけられる。来週行われる競売では落札価格が最高100万ドル(約1億5000万円)に達するとみられている。
競売を担当するボナムズによれば、署名したのは、ジョン・アダムズ、ベンジャミン・フランクリン、トーマス・ジェファーソン。書簡は「両シチリア王国の特使」に宛てたもので修好通商条約の交渉を求めたものだという。
ボナムズはウェブサイトに公開した出品リストで、「自由貿易という米国の新たな政策の重要な表現であり、独立宣言に最も責任のある建国の父3人が署名した書簡で入手可能な唯一の事例の可能性が高い」と説明した。
時代は1784年にさかのぼる。書簡は米国が独立を果たした後に書かれたものの、当時は、新しく誕生した国が成功するかどうか不透明だった。
この書簡は当時の米国の外交政策を示している/Courtesy Bonhams
この年、議会は20カ国との条約の締結に向けて、アダムズとフランクリン、ジェファーソンの3人を任命。これにより、国際社会での米国の立場を強化した。
ボナムズは「独立の直後、合衆国憲法制定のかなり前に議会によって承認されたこれらの『修好通商』条約は、本質的には国際政治の様相を作り直す、貿易に重点を置いた新たな制度の確立だった」と付け加えた。
競売は55万ドルから開始され、最高で100万ドルの落札価格がつくとみられている。競売は今月12日に行われる。
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原文タイトル:Rare letter signed by Founding Fathers expected to fetch $1 million at auction(抄訳)