ドイツ首相、イーロン・マスク氏に怒り 右翼政党支持は「実に不快」
ベルリン(CNN) ドイツのショルツ首相は28日、CNNに対し、米実業家イーロン・マスク氏について、「欧州全土で右派政治家が有利になるよう介入している。実に不快だ」と批判した。
2月の総選挙を前に、マスク氏はドイツの右翼政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の支持を表明。ドイツの選挙活動に介入し物議を醸している。
首都ベルリンで有権者との1時間にわたる対話を終え、降壇したショルツ氏はCNNに対し、「イーロン・マスク氏と彼の行動には全く同意できない」と語った。
同氏はメディア所有者が「ドイツの政治に介入するのは19世紀に始まったことで、新しいものではない」と前置きしたうえで、「新しいのは、彼が欧州全土で右派政治家に有利になるよう介入していることだ。これは実に不快で、欧州連合(EU)全体の民主主義の発展にとって良くない」と非難した。
マスク氏は1月、X(旧ツイッター)でAfDのワイデル共同党首と対談。また、同党への支持を定期的に投稿し、ショルツ氏を「間抜け」呼ばわりしている。
マスク氏は25日、東部ハレで開かれたAfDの決起集会にオンラインで参加した。その際、ドイツがホロコースト(ユダヤ人大虐殺)に対する過去の罪悪感から脱却する必要があるとした同氏の発言が、ショルツ氏のいら立ちを助長している。
ショルツ氏は、CNNに「だからこそ、私はイーロン・マスク氏が極右を支持するために介入していること、そして非常に多くのユダヤ人が殺害されたことに対して適切な行動を取っていないことに憤慨している。これは、私たちが今後も負い続ける歴史的責任だ」と怒りをあらわにした。