「冷戦時代」を今に伝える、モスクワの隠れた名所を歩く
宇宙飛行士記念博物館とベデンハ
冷戦時代に超大国間で繰り広げられた争いの中でも、宇宙探査ほど熾烈(しれつ)を極めた分野も少ない。
ソ連が50年代後半から60年代初頭にかけて初めて人工衛星を宇宙に送り込み、有人軌道周回を行った際は、その能力に世界が魅了された。宇宙飛行士記念博物館はこうしたソ連宇宙開発の英雄の思い出にささげられている。
博物館は高さ110メートルに達する「宇宙征服者のオベリスク」の基部に位置している。オベリスクはロケットが宇宙に向かって上昇する様子をチタンの尖塔(せんとう)で表現したものだ。
博物館には人工衛星スプートニク1号のレプリカなど、宇宙関連の展示品が豊富に収蔵されている。宇宙任務から生還した初めての犬であるベルカとストレルカの剥製もある。
博物館を訪れた際は、隣接する公園「ベデンハ」の散策も楽しめる。この巨大公園にも宇宙関連の展示があり、宇宙ロケット「ボストーク」やソ連版宇宙シャトル「ブラン」のレプリカなどが置かれている。