「冷戦時代」を今に伝える、モスクワの隠れた名所を歩く
バンカー42は1995年に機密指定が解除されたばかり。現在は民間企業が運用しており、博物館に改修されている。冷戦時代のロシアの最高機密施設にふさわしく、19世紀の集合住宅区画にある一見何の変哲もない道路から進入する仕組みになっている。もう一方の入り口はモスクワの迷路のような地下鉄網につながっている。
モニノ航空博物館
100年に及ぶ航空史を展示するモニノ航空博物館。モスクワの郊外約48キロの地点に位置する。地下鉄に1時間揺られたうえ徒歩で住宅街を抜けなければたどり着けないが、足を伸ばす価値は十二分にある。
展示は冷戦時代のソ連の航空技術者がいかに発想豊かで先見の明に満ちていたかを示すものだ。ソ連版コンコルドとして知られる超音速旅客機Tu-144から史上最大のヘリコプターであるミルV12などに至るまで、航空マニアが圧倒されるのは必至だ。
博物館のスタッフは親切で、豊富な知識を持ち、ソ連時代の航空技術の遺産に熱意を抱いているのが伝わってくる。