アンデスの高地を抜けて――豪華列車アンデアン・エクスプローラーの旅
湖に浮かぶ島々
チチカカ湖が他に類を見ない珍しい湖といわれるのは、そこに浮かぶ島々のためだ。
島々には数千人の人々が住んでおり、彼らはトトラと呼ばれるアシのみで作られたブロックを緩くつなぎ合わせて作った島の上で生活している。
この湖のウロス島で、各島がどのように存続しているのかが分かった。この島は、裏庭ほどの大きさのトトラで作ったスポンジ状の土台の上に4軒のわら小屋が建っている。
島の土台部分はトトラが生えている湖の底の分厚い土を切り出したもので、それらをつないでゆく。その上にトトラを編むように互い違いに重ねて島を作る。このトトラは20日ごとに新しい物に交換する必要がある。
驚くことに、ここには水に浮かぶ幼稚園やサッカー場まである。
ララヤ
ララヤ渓谷の山々の標高は約4270メートルで、今回の旅の最高点だ。そこから北に約160キロ下ったわけだが、その途中、ほとんど人が訪れないインカ時代の遺跡、ラクチ遺跡を通過し、ウルバンバ川に沿ってトウモロコシや熟れたキノアが実る畑の中を走り抜けた。
そして終点のクスコに到着した。