アンデスの高地を抜けて――豪華列車アンデアン・エクスプローラーの旅
コルカ渓谷
アンデアン・エクスプローラーの旅にはいくつかのパターンがある。筆者は、最も南に位置するアレキパの駅で列車に乗り、アンデスの高地のルートをゆっくり北上して、北のクスコで下車する3日間の旅を計画したが、列車に乗る前にどうしても行きたい場所があった。それがコルカ渓谷だ。
アレキパから曲がりくねった山道を車で3時間ほど走った場所にあるコルカ渓谷は、世界で2番目に大きな渓谷で、最高点から谷底までの深さは約4200メートル。グランドキャニオンの約2倍の深さだ。
険しい緑の山の斜面の裂け目が、周りの段丘や古代インカの村々を切り裂くように約100キロに渡って続く光景は壮観だ。またコルカ渓谷は、飛ぶ鳥の中で最大と言われるコンドルを間近で観察するのに最適な場所でもある。
チチカカ湖
アレキパのはずれから出発し、黄と緑の不毛な平原や、標高約5500メートルの氷に覆われたアレキパの3つの火山を通過し、アレキパから約300キロ東に位置するプーノに向かった。
途中、ラグニージャス湖で夕日を眺め、日の出までにそこから約130キロ先のチチカカ湖畔に到着。チチカカ湖は標高約3810メートルに位置し、航行可能な湖としては世界で最も高い場所にある湖だ。
われわれはボートで北東岸沖にあるタキーレ島に向かい、そこで伝統あるケチュア族の歓迎を受けた。
東岸から約48キロ離れたボリビアの山々を背景に、明るい羽飾りの付いた帽子をかぶったケチュア族の人々によるパンパイプやドラムの演奏や踊りを楽しんだ。