旅客機の2段式シートの座り心地は? CNN記者が体験
コンセプトが実物大に、記者が体験
まずは上のシートから。ヌニェス・ビセンテ氏のプロトタイプには、昇降用にはしごのようなステップが2段ある。多少おぼつかないが、いったん昇ってしまえば座席は広々として座り心地もいい。両脚を伸ばせるだけの十分なスペースもある。プロトタイプのシートは動かすことはできないが、リクライニングしたときの様子が分かるよう、各シートはそれぞれ異なるポジションにセッティングしてある。
ヌニェス・ビセンテ氏のデザインには座席の上部空間にキャビネットがない。代わりに上のシートと下のシートの間の高さにスペースを設け、手荷物を収納できるようになっている。
座席と客室天井との距離はどの程度か。ヌニェス・ビセンテ氏の考えでは、着席時の天井までの距離は約1.5メートルだそうだ。この空間では直立することは不可能だが、通常のエコノミークラスでも直立できない旅行者は多いと同氏は主張する。もっともそうした長身の旅行者は、こちらのシートではさらに窮屈な思いをすることになるだろう。
次に下のシート。そもそもこのデザインのきっかけは、足元のスペースが狭いというヌニェス・ビセンテ氏の不満だった。前面に同じ高さの座席がなくなったことで、両足を伸ばすことができるし、より快適に過ごせるフットレストもついている。
とはいえ、違う高さの座席が自分のすぐ上、しかも目の高さに位置しているため、かなり閉塞(へいそく)感はある。だが狭いスペースが気にならず、フライト中は寝るだけという人にとっては、効果的な解決策になるだろう。